ひろしまアニメーションシーズン2022

PROGRAMプログラム

HASプレゼンツ

『月刊漫画ガロ』とアニメーション特集

スケジュール

8月21日(金) 14:45~ @JMSアステールプラザ中ホール

プログラム概要

日本のオルタナティブ・カルチャーの源流であり、今なお独自の輝きを放ち続ける『月刊漫画ガロ』。その尖鋭的な表現は、アニメーションの世界にどのようなインスピレーションをもたらしたのでしょうか。本プログラムでは、アニメーション史において突出した異彩を放つ3作品の上映を通じて、その知られざる系譜を紐解きます。

トークゲストには、『ガロ』で唯一無二の劇画世界を紡ぎ、その叙情的なビジュアル表現によってアニメーションの世界にも計り知れない影響を与えてきた林静一氏が登壇。

また本プログラムは、漫画家・つげ義春氏、そしてねこぢる氏の原作を鮮烈に映像化した佐藤竜雄監督という、アニメーションとマンガの境界を揺るがした偉大な二人のクリエイターへの追悼の意を込めてお届けします。
キュレーター:山村浩二

※本プログラムの上映は一部作品を除き英語字幕なし、トークは日本語のみ(通訳なし)です。ご了承ください。

SCREENING GUEST

ゲスト

登壇:林静一、山村浩二

鬼恋歌
林 静一
日本
1971
4分37秒

山奥に潜む「鬼」と、村の人間との間に交わされる情愛と葛藤を、独自の様式美でつづる。過剰な説明を排除し、静謐な音楽と詩的な映像の積み重ねによって、見る者の心に消えない余韻を残す。日本アニメーションの先鋭的な実験精神と、古典的な物語の叙情性が奇跡的に融合した、極めて芸術性の高い一篇。

林 静一

1945年、中国東北部(旧満洲)に生まれる。日本のアニメーション草創期には東映動画にて『狼少年ケン』の制作に参加し、その後『アグマと息子と食えない魂』で漫画家としての歩みをスタートさせた。1970年発表の『赤色エレジー』は、当時の若者の心に深く突き刺さる傑作として、青春漫画の金字塔となっている。 活動の幅は漫画にとどまらず、1976年にはロッテのTV-CM『小梅ちゃん』シリーズでベネツィア国際広告映画祭の銅賞を受賞。以降も、テレビコマーシャル、NHK「みんなのうた」のアニメーション制作、絵本制作など、多岐にわたる分野で独自の感性を発揮している。描かれる女性像はその叙情的な美しさから「現代の竹久夢二」と高く評価されており、映像・アートの領域でも国際的に活躍。第3回広島国際アニメーションフェスティバルでは国際選考委員も務めた。


©1998 たむらしげる/MMF・バンダイビジュアル
クジラの跳躍
たむらしげる
日本
1998
23分00秒

ガラスの海に住む老人は、ある日クジラの跳躍に遭遇する。時間速度が異なるこのエリアでは、しぶきは美しいガラス玉となり、クジラの跳躍は空中に静止したかのように見える。半日かけたクジラの跳躍は、集まった見物人たちに、失われた波の音や安らぎの星の旋律を思い出させる。そして、老人にも忘れていた記憶が甦り……。

たむらしげる

1949年東京生まれ。絵本に『ありとすいか』(ポプラ社)、『たべたのだーれだ』(福音館書店)、画集に『たむらしげる作品集』(玄光社)、漫画集に『結晶星』(青林工藝舎)などがある。『よるのおと』(偕成社)で産経児童出版文化賞大賞、『銀河の魚』で毎日映画コンクール大藤信郎賞、『クジラの跳躍』で文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞などを受賞。


©ねこぢる・大和堂/ねこぢるファミリー
ねこぢる草
佐藤竜雄
日本
2001
33分00秒

ある夏の日、ねこのにゃっ太は病床の姉・にゃーこが死神に手を引かれて歩いているのを目撃。慌てて死神から姉を取り戻そうするにゃっ太だが、魂の半分を連れ去られてしまう。やがて生き返った姉は生気が抜けていた……。

佐藤竜雄

1964年(昭和39年)7月7日生まれ。神奈川県大磯町出身。血液型A型。早稲田大学卒業後、亜細亜堂に入社。アニメーター(動画)、演出助手を経て1989年演出家に。

主な参加作品は『ちびまる子ちゃん』、『赤ずきんチャチャ』。『飛べ!イサミ』(1995年)でTVシリーズ初監督。次いで『機動戦艦ナデシコ』(1996年)を手がけ、劇場版『機動戦艦ナデシコ』(1998年)で日本SF大会で星雲賞を受賞。湯浅政明と組んだ『ねこぢる草』では、モントリオール・ファンタジア映画祭の最優秀短編賞と批評家賞、文化庁メディア芸術祭の優秀賞を受賞。自身のオリジナル作品である『学園戦記ムリョウ』では、原作と全話の脚本も担当(いずれも2001年)。監督とシリーズ構成を兼ねた『モーレツ宇宙海賊』(2012年)によって二度目の星雲賞を受賞、翌々年には劇場版『モーレツ宇宙海賊 ABYSS OF HYPERSPACE -亜空の深淵-』が公開された。