私はマンションの23階に住んでいる。 あまりにも高い場所にあるので、ベッドに横になって眠ろうとすると、ふと目眩のような感覚に襲われる。 足元には22の部屋があり、その下にも、ソウルの街には数え切れないほどの部屋が広がっている。 人々は私の上にも、下にも、壁一枚隔てた隣にも暮らしている。 けれど私たちは互いを知らない。 そして毎晩、それぞれに眠りにつき、それぞれの夢を見るのだ。
8月22日(土) 19:15~ @JMSアステールプラザ中ホール
都市に生まれ育った多くの人々にとって、アパートは唯一の「故郷」である。『都市に住む人々の空間感』と『ヤッホー』は、人々が暮らす空間と、そこに刻まれた幼少期の記憶を描く。『ひとりの痕跡』と『1601号室からの注文』では、アパートは孤独と悲劇の舞台となる。『父の部屋』は、暴力によって引き裂かれた家族の記憶を見つめる。『City』と『サークル』では、人々は互いの存在を無関心を装いながら認識している。2000年代から2020年代にかけて都市を捉えたこれらの作品群を通して浮かび上がるのは、私たちは皆、ともに孤独であるという変わらぬ真実である。
提供:KIAFA AniSEED
登壇:チャン・ナリ
司会:小川和
私はマンションの23階に住んでいる。 あまりにも高い場所にあるので、ベッドに横になって眠ろうとすると、ふと目眩のような感覚に襲われる。 足元には22の部屋があり、その下にも、ソウルの街には数え切れないほどの部屋が広がっている。 人々は私の上にも、下にも、壁一枚隔てた隣にも暮らしている。 けれど私たちは互いを知らない。 そして毎晩、それぞれに眠りにつき、それぞれの夢を見るのだ。
1977年生まれ
幼少期に父親から虐待を受けて育った彼女。父が去ったあと、長年抱えてきた痛みと怒りは少しずつ薄れていった。 しかしある日、父の人生に関する思いがけない事実を知ったことで、彼女の心は再び揺らぎ始める。 その発見は、父に対して抱いていた感情を複雑に絡み合わせ、彼女を深い戸惑いへと導いていく。
1985年生まれ。2012年に韓国芸術総合学校(K'Arts)アニメーション学科を卒業し、2016年に同大学院修士課程を修了。
孤独死から発見に至るまでの、失われた時間と空間を記録した作品。 ひとりで亡くなったある人物が発見されるまでの約1年間を、タイムラプスで見つめる。 家の中には、激しく生きたひとりの人間の痕跡が残されている。観客はその痕跡をたどりながら、彼がどのような人生を送ったのかを想像していく。 室内は死の瞬間に留め置かれたまま静止しているが、その外では季節が巡り、風景は絶えず変化し続ける。その鮮やかな対比が、取り残された時間の重みを浮かび上がらせる。 やがて一年後、遺体は発見される。そして特殊清掃員によって、死の現場は静かに片づけられていく。
韓国・浦項(ポハン)出身のアニメーション監督。 2013年に祥明大学校デジタルコンテンツ学科を卒業後、2015年に韓国映画アカデミー(KAFA)アニメーション専攻を修了。 デビュー短編アニメーション『Cocoon』(2015)は、アヌシー国際アニメーション映画祭、サハリン国際映画祭、ミジャンセン短編映画祭をはじめとする世界各地の映画祭に選出されたほか、BIAF 2015卒業制作部門グランプリ、インディ・アニフェストKIAFA特別賞を受賞した。 その後、長編アニメーション『Rose Motel』(2018)、短編アニメーション『Midnight Horror Cinema』(2020)を監督している。
都市は、人々が集うことで生まれる。 ソウルは、無数の人々によって満たされた都市である。 人と人とのあいだにある壁や境界が消え去り、都市がその殻を脱ぎ捨てたとしたら―。 その先に現れる風景を想像してみる。
1985年 韓国生まれ、女性
弘益大学校でアニメーションを専攻(2005–2010年)、
studio YOG(2010年〜)
1983年 韓国生まれ、男性
弘益大学校でアニメーションを専攻(2002–2010年)、
studio YOG(2010年〜)
深夜の郊外。ピザ配達員の男は、とあるマンションへ配達に訪れる。 果てしなく続く階段を上っても、目的の1601号室はなぜか見つからない。 代わりに彼を待ち受けていたのは、不気味な幻覚と、得体の知れない痕跡の数々だった。
チョ・ハンジンは、明知大学でビジュアルコミュニケーションデザインを学ぶ傍ら、ウェブアニメーション制作会社で実務経験を積み、その後、韓国の人気アニメシリーズ『Woobi Boy』や『Pucca』の制作に携わった。 2010年にKOAN Studioを設立し、数多くの商業アニメーションのパイロット作品を企画・制作。自身が企画・監督を務めたテレビアニメシリーズ『Space Jungle』は、独創的な世界観と優れた映像表現で高い評価を得た。 現在はOCON Studiosにてホラーアンソロジーシリーズ『Horror Nights』のプロデューサー兼スーパーバイジング・ディレクターを務める傍ら、次回長編アニメーション作品の開発を進めている。
少女が地面に円を描く。 通りすがりの人々は次々とその中へ入り込み、やがて円の中は身動きも取れないほどの人であふれる。 誰もがその境界の内側にとどまろうとするが、少女が再び現れ、円を消し去る。 すると人々は何事もなかったかのように、それぞれの道を歩み始める。
チョン・ユミは、美術学士号取得後、韓国映画アカデミー(KAFA)でアニメーション演出を学ぶ。繊細で独自性のある鉛筆画のタッチを生かし、アニメーションと絵本の制作を続けている。 2009年、アニメーション作品『Dust Kid』がカンヌ国際映画祭監督週間に招待される。2013年には『Love Games』がベルリン国際映画祭ベルリナーレ・ショート部門でワールドプレミア上映され、ザグレブ国際アニメーション映画祭(Animafest Zagreb)グランプリを受賞した。 2024年には『Circle』がベルリン国際映画祭ベルリナーレ・ショート部門に招待され、『Math Test』(2010)、『Love Games』(2013)、『House of Existence』(2022)に続き、同部門への招待は4度目となる。2023年には『The Waves』がロカルノ国際映画祭「Pardi di domani」部門でプレミア上映された。 最新作『GLASSES』は、2025年のカンヌ国際映画祭批評家週間に招待されている。 2014年には『Dust Kid』を絵本として出版し、ボローニャ・ラガッツィ賞を受賞。翌2015年には『My Little Doll’s House』でも同賞を受賞した。2019年には、米国映画芸術科学アカデミー(AMPAS)の会員となる。
1990年代の韓国。ソウル近郊に造成された新興住宅地のマンションで暮らす幼い兄弟。 彼らの朝はいつも、向かいの棟から聞こえてくる見知らぬ男の「ヤッホー!」という叫び声によってかき乱される。 その男が人食いだという噂を耳にした兄弟は、不気味な隣人の正体と、その奇妙な行動の理由を探ろうと、小さな冒険へと乗り出していく。
1986年、韓国・ソウル生まれ。2012年、スクール・オブ・ビジュアル・アーツ(School of Visual Arts)コンピューターアート学科卒業。2012年から2017年までFramestore Inc.にてコンポジターとして勤務。現在はTadoh Studioにてディレクターとして活動している。