主観カメラの映像と固定されたフレームが、アコーディオンで演奏されるワルツに合わせて交互に映し出され、時間の移ろいを想起させる短い物語が展開される。
8月20日(木) 15:00~ @JMSアステールプラザ大ホール
HASコンペティションで審査委員長を務めるスイスのアニメーション作家ジョルジュ・シュヴィッツゲーベル監督の作品を特集します。50年以上に及ぶ一貫したキャリアのなかから、作家自身が選出する代表的な作品を、作家によるトークとともにお楽しみください。
登壇:ジョルジュ・シュヴィッツゲーベル
主観カメラの映像と固定されたフレームが、アコーディオンで演奏されるワルツに合わせて交互に映し出され、時間の移ろいを想起させる短い物語が展開される。
6秒のサイクルを使って、オペラの一場面をアニメーション化した絵で表現している。
見かけにだまされた若い鹿の物語。柳宗元(773〜819)の寓話に基づいている。
シンデレラの冒険が、いくつかの場面と雲のイメージを使って語られる。
ある男が富を得るために自分の影を手放すが、その結果に失望し、驚くべき距離を移動できる魔法のブーツを頼りにして、自分の道を探すことを受け入れなければならなくなる。
波のリズムと眠っている若い女性の呼吸のあいだで、いくつかのアニメーションの絵が互いに変化をし続けていく。
波のリズムと眠っている若い女性の呼吸のあいだで、いくつかのアニメーションの絵が互いに変化をし続けていく。
飛行機での偶然の出会いと映画鑑賞が、バーチャルな恋愛へと発展していく。
父親が病気の息子を連れて森の中を馬で走る。息子は、自分を誘惑しながらも恐れさせる「魔王(エルルケーニヒ)」の姿が見える気がする。ゲーテの詩『魔王(エルルケーニヒ)』と、シューベルト/リストによる同名の音楽に基づいている。
一枚の絵の中で動きが展開される。戦いの激しさから始まり、15世紀の画家パオロ・ウッチェロの名作を再現した場面で静止する。
西洋化された3人の先住民が故郷へ帰る物語、それは彼らを滅ぼすことになる近代世界との出会いの始まりでもある。 これは、1829年にティエラ・デル・フエゴの先住民3人が人道主義を掲げる船長に連れ去られた実話をもとにした、創作的な解釈である。彼らはロンドンに連れて行かれ、西洋文明の価値観のもとで3年間教育を受けた。そして故郷へ戻る航海には、チャールズ・ダーウィンも同じ船に乗っていた。
同じ題材をもとに、半世紀の間隔をあけて描かれた2つの絵画を通して、芸術の世界に入り込む試み。 互いに関係し合う2つの絵画、あるいは19世紀と20世紀における有色人種の女性の表現をテーマとしている。 前半では、ジャン=フランソワ・ミレー、アンリ・ファンタン=ラトゥール(《マネのアトリエ》)、ジョン・コンスタブルなど、19世紀の絵画への言及が挿入されている。そこでは、有色人種の人々は召使いとして、あるいは綿花畑で働く姿として描かれている。 後半では、フィンセント・ファン・ゴッホ(彼は前世紀に生きていたが、その絵画は次の世紀を予告している)、アルベール・マルケ、ルイ・スッター、フランシス・ベーコン、ジョルジョ・デ・キリコなどの、20世紀の絵画が引用される。エドゥアール・マネの《オランピア》(1863年)は、裸の女性が自信に満ちた視線で鑑賞者を見つめ、その背後で黒人のメイドが花束を持って立っている絵である。花束はおそらく求愛者から贈られたものだ。この《オランピア》への言及として、フェリックス・ヴァロットンは《白と黒》(1913年)を描いた。そこでは、裸の若い白人女性のそばに、服を着た黒人女性(おそらく彼女のパートナー)がいて、タバコを吸っている姿が描かれている。 エンドクレジットは、ハイチ系の画家ジャン=ミシェル・バスキアの作品を模している。
願いの魔法によって、ドリアン・グレイは若さの優雅さと美しさを保ち続ける。年を取るのは、彼の肖像画だけである。表面上の無垢さに守られながら、彼は罪を犯しても罰せられることなく生きていく。 友人バジルが描いた自分の肖像画の美しさに嫉妬したドリアンは、自分は永遠に若いままで、代わりに肖像画が年老いてほしいと願う。するとその願いは本当にかなえられ、彼は老いていく肖像画を隠さなければならなくなるのだ。もう一人の友人であるヘンリー卿は、「老いる前に人生を思いきり楽しむべきだ」とドリアンに強く影響を与える。 やがてドリアンは、みすぼらしい劇場で働く女優シビルに恋をする。しかし彼女は本当の恋を知ったことで、舞台の上で愛を演じることができなくなり、演技が下手になってしまうのだった。それに失望したドリアンは彼女を捨て、絶望したシビルは自殺してしまう。その後、何年も経ってから、シビルの兄ジェームズが妹の復讐のために、この「王子様」を探し始める。 やがてドリアンは、若い農家の娘、ヘティ・マートンと出会う。しかし彼女を自分のこれまでの恋人たちのように堕落させないため、彼は彼女からも離れる。それでも彼女の悲しみを前にして、ドリアンはすべての不幸の原因だと思われる肖像画を壊そうと決意する。
アニメーション監督・プロデューサーのジョルジュ・シュヴィツゲーベル(1944年生)は、きわめて独創的な作品を生み出している。その作品は常に卓越した技術に支えられ、物語への遊び心あふれるアプローチ、華麗な形式美、そして映像と音楽の融合が特徴。デビュー作『イカロスの飛翔』(1974年)を皮切りに、これまでに22本の作品を発表し、それらはカンヌ、ベルリン、シカゴ、ロカルノ、広島、シュトゥットガルト、オタワなどの権威ある国際映画祭で数多くの賞を受賞。『破滅への歩み』(1992年)は、史上最高のアニメーション作品のひとつとしてたびたび言及されている。2017年のアヌシー国際アニメーション映画祭では、名誉クリスタル賞を授与された。2018年、スイス映画賞名誉賞を受賞し米国映画芸術アカデミー会員となる。2019年、フランス芸術文化勲章オフィシエを叙勲。2020年、アニマフェスト・ザグレブにて生涯功労賞を受賞。2022年、『ダーウィンの手記』でHASグランプリを受賞。