ひろしまアニメーションシーズン2022

PROGRAMプログラム

HASプレゼンツ

特集:風(長編『風が吹くとき』)

スケジュール

8月19日(水) 11:10~ @JMSアステールプラザ大ホール

プログラム概要

HAS2022(水)、2024(土)に続く、自然のエレメントとアニメーションの関係を探る特集。今回は「風」をテーマにしたアニメーション作品を集めました。この長編プログラムでは、レイモンド・ブリッグズ原作/ジミー・T・ムラカミ監督による名作『風が吹くとき』を上映します。

SCREENING
© MCMLXXXVI


©︎ MCMLXXXVI
風が吹くとき
ジミー・T・ムラカミ
イギリス
1986
85分00秒

イギリスの片田舎で暮らすジムとヒルダの平凡な夫婦。二度の世界大戦をくぐり抜け、子供を育てあげ今は老境に差し掛かった二人。ある日ラジオから、新たな世界戦争が起こり核爆弾が落ちてくる、という知らせを聞く。ジムは政府のパンフレットに従ってシェルターを作り始める。先の戦争体験が去来し、二人は他愛のない愚痴を交わしながら備える…。そして、その時はやってきた。爆弾が炸裂し、凄まじい熱と風が吹きすさぶ。すべてが瓦礫と化した中で、生き延びた二人は再び政府の教えにしたがってシェルターでの生活を始めるのだが…。

ジミー・T・ムラカミ

日系アメリカ人2世として、1933年カリフォルニアに生まれる。第二次世界大戦中8歳から4年間日系人強制収容所に収容される。長崎の原爆で親戚を失ってもいる。収容所で見たディズニーの『白雪姫』をきっかけに、アニメーションに興味を持つ。ロサンゼルスのシュイナード・アート・インスティテュートで学んだ後、1956年にUPAバーバンク・スタジオに入社。翌年、ニューヨークのピントフ・スタジオに移り、アカデミー賞にノミネートされた『The Violinist』を手がけた。東映動画(現:東映アニメーション)で1年間働いたのち、1960年にロンドンに移り、TVカートゥーンズのプロデューサー兼ディレクターとして『虫』(英国アカデミー賞ノミネート)などの短編を監督した。1965年にロサンゼルスに戻り、フレッド・ウルフとともに、ムラカミ・ウルフを設立。監督作『呼吸』でアヌシー国際アニメーション映画祭でグランプリを受賞し、アカデミー賞候補となった『魔法の梨木』ではプロデューサーを務めた。1970年、実写の長編映画『レッド・バロン』のアソシエイト・プロデューサー兼空撮監督としてアイルランド・ダブリンに滞在し、そこで出会った女性と結婚してアイルランドに活動の拠点を定める。1980年にはロサンゼルスで、プロデューサーのロジャー・コーマンのために、『七人の侍』の宇宙版である長編実写映画『宇宙の7人』を監督。1982年、TVCロンドンで、レイモンド・ブリッグズの原作を基にしたアニメーション『スノーマン』の総監督を務め、英国アカデミー賞を受賞、アカデミー賞にもノミネートされた。1986年には、『風が吹くとき』を脚色・監督し、1987年のアヌシー国際アニメーション映画祭で長編グランプリを受賞した。1989年、ムラカミ・ウルフの支社をダブリンに設立。長寿テレビシリーズ「ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ」を制作。このスタジオには100人以上のアーティストが在籍していた。ムラカミはアイルランドのダン・レアリー美術学校(IADT)やバリファーモット・カレッジで講師を務めるなどアニメ業界の発展に貢献した。ムラカミの推薦によりカートゥーン・サルーンの創設者トム・ムーアらは、米アカデミー賞の会員となり、現在までに5度のノミネートを獲得。晩年は好きだった絵画に戻り、油絵や水彩画、具象画や風景画を描いていた。2014年2月16日、ダブリンにて80歳で死去。2013年にはディングル国際映画祭に、アニメーション業界の貢献者に与えられる「ムラカミ賞」が設けられ、その第1回受賞者に選ばれた。