ひろしまアニメーションシーズン2024

JOURNAL ジャーナル

2025.02.04 AIR活動報告

H-AIRマンスリーレポート - 7月 /ムン・スジン

私はどんな働き方をする人間なのか?

このレポートを書いている今、広島に来てからすでに2ヶ月が経っている。
7月半ばまでは、同時に複数のことをこなすのに忙殺されていた。
しかし、7月末になるとすべてがひと段落し、急に自由な時間ができた。
そこで私は、自分なりに広島を楽しもうと決めた。
もし7月を一言で表すなら、それは 「方向性の明確化」 だろう。
広島に来る前から、自分の仕事や活動の方向性について迷いがあり、明確な基準がないために計画を立てることも難しかった。
正直なところ、広島に来てもなお、これからどう進んでいきたいのかが分からずにいた。
しかし、考えれば考えるほど答えは出ないことに気づいた。
よく「住む環境を変えると、自分に対する見方も変わる」と言われるが、それは本当だろうか?
そんな漠然とした気持ちのまま迎えた7月だったが、広島での時間はまるで贈り物のように素晴らしいものになった。

ワークショップ - 私の作品の何が人を惹きつけるのか?

7月13日、広島の蔦屋書店でワークショップを開催した。
こういった形式でクラスを開くのは初めてだったため、最初はなかなか感覚をつかめなかった。
しかし、ワークショップの準備を進める中で、自分の絵の独自性は何なのか、また、人々がどんな点に興味や関心を持つのかを改めて考える機会になった。

良い作品とは何か?

ワークショップの後、東京へ向かった。
東京では、長年好きだった 伊藤潤二 の展覧会や、韓国でも有名な CLAMP の展覧会を訪れた。
また、銀座の蔦屋書店で好きな作家の本をいくつか購入した。
これまでオンラインでしか見たことがなかった作品を 実際に体験することは、想像以上に刺激的 だった。
改めて、自分の好みがはっきりと自覚できたし、「良い作品かどうかの判断基準は、結局のところ観る人の好みによるのではないか?」とも感じた。
東京での体験を通じて、「どのように作品を向上させていきたいのか」という基準が、より明確になった。

自分の強みと弱みを知る

ワークショップと東京での経験を経て、自分の強みや、どの市場に関わりたいのかがはっきりしてきた。
それと同時に、自分の 基礎力の不足 も明確になった。
最近はキャラクターデザインに力を入れ、人体の動きをより自然に描けるようトレーニングをしている。

また、現在上映中のアニメ映画 『ルックバック』 も観た。
原作漫画を読んでいたので、ストーリーは理解していたが、今回は 字幕なしで映像に集中して鑑賞できた。
少し恥ずかしい話だが、『ルックバック』の主人公たちの願望が、自分自身のものととても似ているように感じた。
そのため、物語に一層引き込まれてしまった。
アニメーションのビジュアルは本当に素晴らしかった。
強固な基礎がありながらも、それを誇示することなく、洗練された表現がなされていた。
今まさにキャラクターイラストに取り組んでいる私にとって、『ルックバック』のキャラクター表現は 非常に勉強になる ものだった。
「私はこのキャラクターたちと同じくらい情熱を持っているだろうか?」と自問しながら、もっと努力したいという気持ちが湧いてきた。

広島での日常を楽しむ

仕事の方向性が明確になったことで、広島での生活もより楽しめるようになった。
7月25日は 私の誕生日 だった。
誕生日の週には、広島で出会った大切な人たちと過ごすことができた。(みんな本当に優しい…)
積極的にさまざまなイベントに参加し、充実した毎日を送った。
広島に向かう飛行機の中で、私はこんな不安を抱えていた。
「私はここで何ができるのだろう? 予定している映画をちゃんと形にできるだろうか?」
しかし、その不安はすぐに杞憂だったと分かった。
広島での時間は 圧倒的なインスピレーション、サポート、そして愛 に満ちていたからだ。
この感情やビジュアルの刺激が、将来どのような形で表れるのかはまだ分からない。
だが、私はこの時間に 心から感謝 している。
「新しい視点や考え方を吸収したい」と思って旅に出たが、すでに 大満足 している自分がいる。
「部屋から一歩踏み出して、本当に良かった…!」
これが、私の 広島の暑い7月の記録 だ。