ひろしまアニメーションシーズン2024

Hiroshima ARTIST IN RESIDENCEひろしまアーティスト
・イン・レジデンス

アニメーション関係者を対象とするレジデンスプログラム「ひろしまアーティスト・イン・レジデンスは,参加を希望するアニメーション関係者から募集を募り、選出されたアーティスト3名を広島市に招き、短期間の滞在制作活動等を行ってもらうことを通じて,招へい者のキャリア構築の一助とするほか,広島のアート・カルチャー環境を豊かにすることを目的とします。

まちかどアニメーション イベント・ニュース

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JOURNAL 活動報告

ARTISTS滞在アーティスト

ブリット・ラース Britt Raes (ベルギー)

ブリット・ラース Britt Raes

プロフィール

ベルギー出身の監督、イラストレーター、脚本家。これまでに『キャサリン(CATHERINE)』と『ルースと大きな岩(LUCE AND THE ROCK)』の2本の短編映画を制作。どちらも200以上の映画祭(サウス・バイ・サウスウエスト、富川国際アニメーション映画祭、メルボルン国際映画祭、レザルク映画祭など)に出品され、それぞれ40以上の賞(インディーリスボン、ベルリン国際映画祭、シネクエスト、東京アニメアワードフェスティバルなど)を受賞した。
現在、いくつかの新作アニメーションプロジェクト(大人向けと子供向けの両方)を開発中。また、イラストレーション、アニメーション、脚本などの依頼仕事も請け負っている。教師として、またフランドル監督組合の役員として、自分の知識を他者へ共有し、視聴覚芸術の世界につながりを作りだすことを目指している。
好きなものは(ダーク)チョコレート、ハグ、動物園での動物のスケッチ、NVC(非暴力コミュニケーション)。旅行中は石を集めて目を描く。フラッフィー(ふわふわ)という名の猫に生まれ変わりたいと願っている。

プロジェクト概要

ラブリー・ランドのルース(Luce in the Lovely Land)

『ラブリー・ランドのルース』は、勇敢で好奇心旺盛な6歳のルースが身の回りの世界を探検する、冒険的で風変わりな物語シリーズである。とある出来事が彼女の小さな村の日常生活を壊してしまい、ルースは親友である巨大な岩の生き物と一緒に、その謎の答えと解決策を求めて旅に出る。二人は山を越えて旅をし、たくさんの村や人々がいる大きな世界が存在することを知る。すべての生き物は、まったく違う習性や欲求、必要なことを持っているとも。誰もがお互いについて、たくさんの学ぶことがあるのだ!
物語は、他者とのつながりを作り、未知のものを発見し、恐れや先入観に立ち向かうことをテーマにしている。ルースがきっかけとなって人々は(そしてルース自身も)心を開き、寛容さを深めていく。力強くて色彩感覚に満ちた美的センスや驚くべき展開の物語を通して、このシリーズは慈愛の心を育むのだ。
『ラブリー・ランドのルース』は、ブリット・ラエスが脚本・監督した短編映画『ルースと大きな岩』を原作として、翻案したものである。『ルースと大きな岩』は、フランス・テレビジョン、VRT-Ketnet(フランデレン・ラジオ・テレビ放送協会の子供向けプログラム)、RTBF(ラジオ&テレビ・ベルギー・フランス語放送)などを含むヨーロッパの放送局で先行上映され、2022年には250館で公開された。また、ベルリン国際映画祭、アヌシー国際アニメーション映画祭、クレルモン=フェラン国際映画祭、オタワ国際アニメーション映画祭、日本賞など、世界各地の映画祭で入選・受賞した。
このシリーズは、Thuristar(ベルギー)とLa Cabane(フランス)が共同製作しており、企画開発プロセスのため、脚本、絵コンテ、デザイン、資金調達のパートナー探しに奔走している。

ラブリー・ランドのルース(Luce in the Lovely Land)

ダニエル・ウェセイク Daniel Wesseik (オランダ)

ダニエル・ウェシーク Daniel Wesseik

プロフィール

イスラエル・エルサレム出身のビジュアル・アーティスト。現在はオランダ・アムステルダムに住み、フリーランスのアーティスト、そしてアニメーションの講師として活動している。
彼の芸術活動は、タイポグラフィ、アニメーション、イラストレーションなど様々な分野と交差している。また、作業工程では、手描きアニメーションの制作と2D・3Dの空間の探求というアナログとデジタルの融合を行う。彼の芸術作品や映画は人間の心理や精神性をテーマの中心としており、それらを遊び心のある抽象的な語り口で表現するものだ。
Wesseikはセイント・ヨースト・アカデミーでアニメーションの修士号を取得(2016年)。ASF(Animation San Frontier)の European Development Lab(2018年)やPlaygroundsのNEXT talent program(2023年)に参加。彼の作品はオランダをはじめ、世界中の映画祭、美術館、ギャラリーで発表されている。

プロジェクト概要

言葉と形(A Word and A Shape)

「言語とは単なる言葉の集まりではなく、文化、伝統、そしてコミュニティが共有する歴史を体現するものである。それはコミュニティを定義するものの本質である」――ノーム・チョムスキー。
滞在中は、特に日本語に重点を置きながら、日本文化を掘り下げていくつもりである。私の目標は、広島という街にどっぷりと浸かり、その小さな差異を観察して、その印象を一連のドローイングやアニメーションに変換することだ。
私はこれまでの活動で、紙の上に描いたループアニメーションや、古いタイプライターを使ったユニークな作品の制作を専門としてきた。
今回、理想を言えば、日本語のタイプライターを手に入れ、それを使ったドローイングやアニメーションを制作したい。滞在中に、作品の制作と、新しい環境やそこに住む人々との交流に時間を使いたい。
「言葉と形」というタイトルのもと、私は言語と文化が織り込まれた作品の制作を目指している。ひとつの単語であれ、フレーズであれ、あるいは道路標識であれ、それらには私たちの経験が現れ、同時に文化の違いや共通点が反映される。滞在制作の成果は、静止画やループアニメーションとして表現することを考えており、最終的には展覧会や短編映画として結実する可能性もある。

言葉と形(A Word and A Shape)

ムン・スジン Moon Sujin (韓国)

ムン・スジン Moon Sujin

プロフィール

1996年生まれの韓国人監督。2022年に韓国芸術総合学校アニメーション科を卒業。初の公式作品であり、大学の卒業制作でもある『ペルソナ(Persona)』は、アヌシー国際アニメーション映画祭、カンヌ国際映画祭をはじめとする様々な国際映画祭で高く評価された。
『ペルソナ』発表後は、イラストレーションに専念。イラストマーケットへの参加など活動の幅を広げ、ファンの目線に立ったグッズの制作で、自身の作品の魅力を伝えることも考えている。他のアーティストやアートに興味のある人たちとの交流も積極的に行い、それが彼女の創造性を深くさせ、観客の幅をさらに広げることにも役立っている。
映画制作の際、常に自分の感情を素直に表現する彼女は、次の映画にもそうしたスタンスを盛り込んでいる。彼女の最大の目標は、観客とつながることであり、次回作が観客と特別な絆で結ばれることを願っている。

プロジェクト概要

36.5°C

36.5°C 、灼熱の夏の日、汗を一滴もかかずに乾いた道を歩く女。前方を見つめていると、突然めまいがして、とある男とぶつかってしまう。彼は液体でできているかのようで、その胸にぶつかると、水の中に飛び込んだような感覚を覚える。その腕の中に飛び込むと、全身ずぶ濡れになる。つかの間、いつも乾いていた世界がしっとりと潤い、真の姿を現す。そして、二人の愛が始まる。この映画には、ふたりの愛と別れの旅が凝縮されている。筋書きは平凡な恋愛の出会いと別れが中心かもしれないが、恋愛中に感じる感情を視覚的に描くことを目指している。この映画は、未熟な愛と、愛の喜びから喪失の痛みに至るまで、愛と喪失に伴うすべての感情を追求している。未熟な恋愛がもたらす喪失感のような辛い感情さえ、人生を豊かにする貴重な感情であるのを伝えようとするのだ。

36.5°C

招聘アーティスト数

3名

招聘期間

2024年6月1日(土)~8月31日(土) 92日間

募集期間 応募は終了しました

2023年12月1日(金)10:00〜2024年1月31日(水)23:59

選考委員

土居伸彰、山村浩二、宮﨑しずか

申込み方法

ひろしまアニメーションシーズン公式サイトのオンライン応募フォームに必要事項を入力し,企画書を添付の上,応募してください。企画書の様式は問いませんが,次の事項は必ず記載してください。

  • ア プロジェクト概要
  • イ 広島でプロジェクトを実施する必要性
  • ウ 滞在期間中,重点的に取り組みたい事項
  • エ レジデンス規約内の「3 選考 (2)選考基準」を満たすのであれば,そのアピール

なお,企画書の枚数はPDF10枚以下とし,英語又は日本語により作成してください。

レジデンス規約を熟読のうえ、応募してください。
レジデンス規約(PDF) 

前回の様子

H-AIR2022の招聘者・レポート等はこちらでご覧ください。
https://animation2022.hiroshimafest.org/air/